ジェイエルネスのCTOとして活躍する岩波賢司のエンジニア人生に迫ります。
プロフィール
岩波賢司 Kenji Iwanami
2012年_WEBマーケティング会社インターン
2014年_外資系ベンダー、データセンター
2015年_ゲーム会社
2016年_クラウドインフラ専門会社
2019年_クリエイター事業会社
2020年_クリエイター事業会社×ジェイエルネスCTO
岩波:2020年に業務委託メンバーとして参画し、2021年2月に取締役CTOとなりました。ジェイエルネスの事業である2ndPASS、ココカラさんに関しては立ち上げから携わっていますね。
エンジニアの組織作りや採用までできることは何でもやっています。
岩波さんは小学5年生の時にエンジニアとしてのキャリアをスタートさせる「あるキッカケ」があったとか。技術に関心を持ったきっかけを教えてください。
岩波:はい。初めてパソコンに触れたのが小学5年生でした。パソコンに触れるのが楽しくて、ブラウザでできるFPS(フラッシュゲーム)を寝る間も惜しんでプレイしていました。
ゲームランキングのトップを目指して毎日頑張っていたんです(笑)ですが、親にi-FILTERという有害サイト遮断ソフトを入れられてしまったんですよ。
えええ!有害遮断ソフトによって大好きだったゲームができなくなってしまったんですね。
岩波:そうなんです!好きなゲームができなくなったことはもちろん、有害サイトと判断されたサイトには一切アクセスできなくなりました。ゲームに夢中だった僕は、このi-FILTERを停止させるべく、方法を模索し続けたんです。
ゲームに費やしてた時間を「i-FILTERを停止する技術の探求」に変えたんですね。
岩波:はい。その通りですね。まず、図書館や本屋さんに行って技術書と呼ばれる専門誌をひたすら読むようになりました。
そこからインターネットの仕組み・通信の仕組み・ブラウザの画面にサーバーから来たコンテンツが表示されるまでのフロー等さまざまな技術情報を探し、i-FILTERを停めるための知識を詰め込みました。
そこまでの熱量と情報収集能力、ものすごいですね。
岩波:僕にとっては重大だったので…。そしてついにi-FILTERの抜け道を発見しました(笑)見つけた時の高揚感は今でも忘れられないですし、今後も忘れることはできないと思います。
そこからどんどん技術への探求にのめり込んでいったとか、そこからは毎日どんなことをされていたんでしょうか?
岩波:はい。次は、FPSサーバ(銃を撃つゲーム)を構築・運用するようになりました。世界に公開したサーバーには毎日のように日本人・外国人が何百人も集まるようになっていました。
運用していくのももちろんですが、毎日スクリプトキディからの攻撃・サーバへの嫌がらせ・チーターとの戦いは、ある意味ゲームのようで面白かったです。
これまたすごいですね…。その頃からエンジニアを仕事にすると考えていたのでしょうか?
岩波:はい。この時点で、この業界しか生きる道はないと思ってましたね。
そこからは独学でインフラに関することを学び、エンジニアとしてインターンをしていたそうですね。具体的にはどんなことをしていたんでしょうか?
岩波:独学でwebサーバ・メールサーバ・DBサーバ等のインフラに関することを学んでいました。そして、18歳頃に学んだことを活かしたいと思いweb系の会社にインターンとして入社。
主にSEOやWEB系の知識を学び、それに最適なインフラを構築しました。さらに、アフィリエイトSEO自動生成される文章なんかも作ったり、面白い経験をさせてもらいました。
先ほど、キャリアの軸として「エンジニアで生きていく」と決めていたとお聞きしました。そこで、キャリアについてお聞きします。前職を含む6年間のキャリアを教えてください。
岩波:新卒では外資系ベンダーにいました。1年半、インフラ構築と保守を担当していました。ですが、1年経過した辺りから「自分の未来が見えないな」という気持ちと「業務内容がテンプレート化されていた」ことから、自分の技術力を磨きたいと思い新たな挑戦を考えるようになったんです。
次は、ゲーム会社にうつられていますよね。ゲームが好きだということもあり転職を決めたのでしょうか?
岩波:はい、ここでは大変貴重な経験をしました。技術的にも楽しかったですね。ゲームが好きなこともありますが、当時はクラウドという概念が流行り始めていたため、その技術を学ぶことでエンジニアとしての幅を広げる機会にもなったんです。
ゲーム会社ではエンジニアは岩波さん含めて2人体制、かなり忙しかったとか…。
岩波:はい。かなり大規模なアプリゲームを担当していて、当時ユーザー数600万人を突破したあたりで入社しました。現在では、ユーザー数は全世界合計2500万プレイヤーを突破しているそうです。
当時は、エンジニアは2人体制だったのでかなり忙しかったですね(笑)
率直に当時を振り返ってみてどうですか?
岩波:良い上司のかたに巡り合えました。日本のインターネットを牽引してきたIIJ出身の上司に教えてもらいながら、クラウドのイロハやDevOpsを学んでいきました。ゲームアプリはリリース頻度が高く、すぐに新しいイベントが立ち上がります。
そのため少ない人数で対応しなければならず、自分の開発速度やパフォーマンスはかなり上がったと思います。振り返ると、インフラ(AWS環境)を総台数100台以上構築し、それに対する負荷テストをlua言語にて実施していますね。
そんなゲーム会社から次はクラウドインフラ(AWS)専門の会社に転職するわけですね。ここでは、社会人として、技術者としても大きく成長したそうですね。
岩波:はい。まさに人生の分岐点だったと思います。ハードワークであったものの、楽しさややりがいも非常に大きかった会社です。
メンバー全員が技術力が高かったことはもちろん、顧客への対応は3分以内と決められていたり、お客様に真摯に向き合うカルチャーの中に入れたのもエンジニア人生の中でものすごく貴重な経験でした。
高い技術力を持った優秀な人材が多かったんですね、具体的にはどんな方達がいたんでしょうか?
岩波:そうですね、ライブドア出身のかたが集まっていて、自分で設計したアーキテクチャを100個以上持っている人もいました。そんな優秀なエンジニアのなかで、実践を通して学べるので毎日楽しくて仕方なかったです。
なるほど!エンジニア人生で一番成長できた会社だそうですが、どんな学びが得られたんでしょうか?
岩波:はい、「顧客視点」で動くことの大切さを学んだんです。一つ印象的なプロジェクトがありました。だれもが知っているような超大手フィットネスクラブさんの大型案件を担当していたときの出来事です。
「顧客視点」を持つことでエンジニアとして成長するきっかけになったのですね。どんなことがあったのでしょうか?
岩波:実は自信を持って提供したものが「すごい良いものなんだろうけど…もっとコストを抑えて欲しいんだけどな。」と言われてしまったんですね。それまでとにかく「良いものを作ろう」と考えていたんです。技術で僕が貢献できるところは突き詰めたいし、何より良いものを作れば喜んでくれると信じていました。
ですが、顧客のニーズを正確に汲み取ること、その上で最終的な成果物をすり合わせること、顧客をより理解することが大事なんだと学びました。もちろんコストをかければ良いものを作れたりしますが、顧客視点を持つことでよりお客様に喜んでもらえるものを作れるようになったと思います。
なるほど。顧客視点を持つことで、よりお客様に喜ばれるものを作れるエンジニアとして成長したのですね。次はクリエイター事務所でチームリーダーとして現在も働かれていますよね。そこでは初めてマネジメントをしているそうですが、どうでしょうか?
岩波:はい、マネジメントは技術ではどうにもならない分野で日々奮闘しています(笑)チームメンバーが仕事を進めやすい環境を作ってあげるのがリーダーの仕事だと考えています。
例えば、各メンバーのタスク管理やロードマップを引いてあげたり、細かい部分も丁寧に環境を整えてあげる、みんなが活躍できる環境にすることを意識していますよ。
ありがとうございます、同時にジェイエルネスでは「必殺お助け人」的な立場で業務委託として入ってくれていましたよね!(笑)当時はどういうきっかけだったのでしょうか?
岩波:はい、代表の樗澤との出会いは友人の紹介でした。シンプルで自然体、初めて会った時から一緒にいて自分も自然体でいれるような人間でした。
直感的に「あ、この人と仕事してみたいな。」という気持ちから入りましたね。その時はどんな仕事をしているのか知らなかったので、業界トップシェアを誇るサービスをやっていると知った時はびっくりしました(笑)
2ndPASS事業、ピボットを繰り返した新規事業など、いつも助けられています…。当初は、2ndPASSのHP改修やドメインが無くなりかけたり、危機を救っていただきましたよね。
岩波:そうですね、2ndPASS事業に関しては、すベてを綺麗にすることから始めました。2ndPASS事業のサイトは、基盤やフロントのデザイン含めてごちゃごちゃになってしまっていたので改修。サービスのドメインが無くなりかけた時もドメインを死守するため対応したのを覚えています。
なぜ、助けてくれたのでしょうか?
岩波:ジェイエルネスの「結束力に惹かれたこと」が大きいですね。皆さんと仕事するうちに「この環境にいれるのは羨ましいな」と思いました。皆さんに技術分野で貢献できることがあれば積極的にしたいと思えるほど、一緒に働いていて気持ちの良い方々だったんです。
何より人を助けることが好きですし、喜ばれる楽しさもありますよ。
何よりメンバーとの1on1で驚いたことがあったとか。どんな点に驚きましたか?
岩波:CTOとしてジョインしてから初めての1on1で、正直ビビりました(笑)「あれ、俺より若いよな?あれ」と。もう考え方や行動力が明らかに20代ではない。
みんな、仕事を「頑張る」ではなく「楽しむ」になっていて純粋にすごく羨ましかったです。こんなメンバー全員が仕事を楽しいと思って取り組んでいる人が揃っている環境はなかなかないし、今後も出てこないと思っています。このカルチャーは無くさないでほしいです。
たしかに。メンバー全員が仕事に全力で取り組みますし、それぞれが助け合うカルチャーは強いと思います。そんなカルチャーを外部から来たからこそ、強く感じてくれたんでしょうか。
岩波:そうですね。
そんな経緯もありジェイエルネスに入ってくださいましたが、ジェイエルネスには「希望」と「課題」を感じたそうですね。
岩波:事業やメンバーをみて、ジェイエルネスの可能性をかなり強く感じたと同時にテック人員の不足に目がつきました。ジェイエルネスは少しテックを取り入れただけで200%成長するのが分かります。
それまで人力でまかなえていたのは良かったですが、今後はそうもいかない未来が待っているのは時代の流れを見ていればわかるかと思います。「もったいない」ジェイエルネスはここで終わってしまうのは惜しい存在です。
今のうちから私が入ってテック分野で貢献したいと思いました。
具体的にはどういった点で課題を感じたのでしょうか?
岩波:とにかく人力だったということです。ある意味それで回っていたのはすごいし、相当チームコミュニケーションを図っているんだろうなと感心しました。今はとにかく、人力部分をあぶり出して、なるべくシステム化する。そして状況の見える化することに注力しています。
ありがとうございます、ジェイエルネスのデータ活用もサポートしてくれていますよね。
岩波:はい。とにかくものすごい量のデータが存在しているので、そのデータをフル活用したデータ基盤を構築中です。
データを活用してリソース削減や、顧客へのアプローチ方法をデータ目線でみれるようになると圧倒的な成長を見込めるんです。データは会社の財産であり、とてつもない価値を持っています。
2ndPASS事業と新規事業であるココカラさんにも初期から携わっていますよね。
岩波:toC、なおかつ新規事業の立ち上げに関わることは初めてなので、エンジニアとしてとても面白いです。法人向けのサービスをつくっていた時も、データ蓄積や管理画面など自分で対応できる範囲は全てやっていました。
その後、独居シニアの社会孤立を解消するバーチャルクラス・プラットフォーム「ココカラさん」の構想が出来上がりつつある時に、どちらの事業にもコミットするためにCTOとして入りました。
実は賢司さんが来てから2ndPASS事業も新しいサービスが生まれたり、いろんなところが改善されたりしています。これは賢司さんや賢司さんのエンジニアチームのお力添えあってなんですよね!新規事業ココカラさんのエンジニアチーム作りも進めてくださっていますよね。
岩波:はい。独居シニアの社会孤立を解消するバーチャルクラス事業「ココカラさん」では、どうしたらシニアの方々にとって使いやすいものになるのか等の機能の仮説検証、フロントエンド/バックエンドとの調整、主にエンジニアリング組織のマネジメント・採用を行っています。
どんなところに面白さを感じますか?
岩波:当時、ココカラさんの構想を聞いた時は、最初はびっくりしました(笑)ですが、樗澤の作る世界観や思想にワクワクするし、彼なら本当に実現できる気がして、ついて行きたくなるんです。CTOとしてさまざまなことにチャレンジしていくのも楽しみです。
新規事業であるココカラさんでは大変なことも多いと思いますが、その辺りはどうでしょうか?
岩波:ココカラさんのコンセプトを見直したことがありました。10時間以上の会議を通して、「このプロダクトで何を実現したいのか」を樗澤に問いました。
突き詰めていくと、それぞれの人の幸せだということが分かりましたね。樗澤やエンジニアと議論し、方向性を擦り合わせしながらプロダクトを作り込めるのも新規事業に関わる面白さでもあります。
また、僕はビルディングブロック式に考えていきます。例えば、船をいきなり作っても穴があいていたら意味ないですよね。丈夫な船底がなければ崩れてしまうんです。
頑丈な船底を築き上げて、次に甲板を組み立てと、1つ1つ着実に進めていきたいんです。樗澤の発想をかたちにして、着実に積み上げていくのが僕の腕の見せ所だとも思っています。
ありがとうございます!ココカラさんの成長が今からとっても楽しみです。最後にメッセージをお願いいたします。
「ジェイエルネスをテックカンパニーへ」これを叶えられるように、私の持っている知識をフル活用して貢献していけたらなと思います。
一緒に楽しめる仲間が必要不可欠です。そして、ジェイエルネスでは必ず仕事が「楽しい」と感じられるはずです。